大鳥池のタキタロウを釣る
伝説の怪魚タキタロウ現る
2019年8月
2013年の最初の挑戦から7回目。
ラッキー7の今年は何かが起こると期待に胸を膨らませていた。
いつものように大鳥池に到着後、池の様子を見に行くと信じられないような大増水。
釣りポイントがすべて水・水・水。
荷物を岸際に置くスペースすらない。
仲間は皆、「今回も駄目だ。」と思っていた。
ところが今までのイワナ釣りでは見かけたことのない大物が釣れた!
堂々とした風格。
厳つい顔つき
力強い眼つき
しゃくれたアゴに三ツ口の持ち主
尾ビレはほぼ直線
特徴的なお腹のオレンジ斑点
掛かった瞬間、竿から伝わる手ごたえで大物であると確信した。
周りに仲間が居なかったため、多少強引に平らな場所へ引きずりあげる。
慌ててタモに入れた魚の大きさで身体が震え出した。
気が付くと大声で離れた場所にいた仲間に叫び。
それを聞いて只事ではない様子を感じとり、直ぐに駆けつけてくれた。
ルアーを外そうにも手が震えていてペンチが握れない。
その場に二人で座り込み、魚を眺める。
「デカイ!!!」
正直な感想。
しばらくすると、雨の音と水の流れが聞こえてきた。
ようやく心臓の鼓動が落ち着きはじめ、冷静さを取り戻す。
写真を撮り、じっくり観察しながら魚が回復するのを待つ。
名残り惜しいが、その時がきた。
リリースする時、いつも声をかける。
「ありがとう。もっともっと大きく成長してくれ。」
これが、私のタキタロウ(仮)
下山後、朝日屋旅館に直行した。
写真を見てもらうと
宿のお母さんは「んだ!タキタロウだよ。」といつものように優しい言葉をかけてくれる。
そしてタキタロウ鑑定人の佐藤管理人に写真を見て頂いた。
「なんとも言えねぇ。写真じぁ分からねぇなぁ」とにっこり笑いながら言葉をにごした。
それを聞いて新たな闘志が沸く。
管理人さんに「んだ!間違えねぇ。タキタロウだ!」と言わせたい。
正真正銘のタキタロウを見せてあげたい。
別れ際、「また来年きます。」と挨拶した。
完